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うちの奴隷の定年退職 3
最下層奴隷Yは遠くに帰宅せねばならない。
でも折角なので乾杯くらいしたかったし、
バーに行こうと誘った。

すぐにバーが見つからず、少し歩いた。
やっと見つかったバーで
Yはビールを、私はスパークリングワインで
「お疲れ様でした」とYに乾杯した。
今日のセッションお疲れ様と
今までお仕事お疲れ様、のふたつの意味をこめて。

「僕、誰かに
お疲れ様って言って欲しかったんです。
よく頑張ったねって。」

Yには普通に家族があるのに、
定年退職についてあまり労いがなかったらしい。
今までの思いを一気に吐き出すように話した。
言葉数は少ないし声も穏やかなんだけど、
吐き出す、まさに心の嘔吐みたい。
Yが家族の話を細かくするのは初めて。

私とYはあまりSM以外の話をしたことがない。
Yは私がクラブに在籍していない間、
うちの家によく来ていた。
(シオラやるまで意外とクラブ経験が短いのです。)
語り合うに充分な環境があったにもかかわらず、
あまり話していない。
漠然と想像していたこと、というか
勘でわかっていたことはあったし、
必要ないので聞かなかった。話す必要がなかった。

家族構成や生い立ちはM性に影響を与える。
知った方が便利?優位なこともあるけど、
何となく聞かないまま今に至った。

いや、待てよ?
Yと話す為にバーに入って、向かい合って、
乾杯すること自体が初めてじゃないかしら?
この日のYは珍しくSM以外の自分のことを話した。
聞いて「やっぱりね」と思うことがほとんど。
すごい抑圧の中で生きてきたんだろうな、
とは思っていたし。

Yが本当に心から解放されるのは
この世界で遊んでいる時だけだったそうだ。
物心ついた時から自分を押し殺してきた。
いつも抑圧と緊張の中でびくびくしていたそうだ。
お勉強もできて夢ある希望の仕事についた。
しかし、仕事にも壁が憚った。
社会のシステムが希望を失望感に変えた。

Yは誰かに「よくやったね」って
言ってほしかっただけだ。
そして、誰かに「よくやったね」って
言ってあげたかっただけだ。
自分が喜ぶことを他の人にもしてあげたい、
極めて健全な精神の持ち主。
でも社会のシステムはそんな単純なことさえ、
Yから取り上げた。

Yが最下層奴隷の位置づけを好むのが
今まで以上に深く理解できた。
最下層って自分より下がいないから、
よりたくさんの人に喜んでもらうこともできる。
マゾでいれば「よく頑張ったね」の言葉が貰える。
そこに至るまでの過程として
わざわざ最下層に落ちようって言うんだから、
SMって本当に無駄だ。
厄介な遠回り、無駄もいいとこ。
そんなことしてまで実感が欲しいのか?

・・・それがSM。
でも実は、みんなが求めているものは
単純でわかりやすい。
結果を求められる社会の中で
過程に重きがあるものは案外少ないのかも。

SMの世界でいつも思うこと。
正しく叱られ、正しく褒められている人が
何て少ないことか!
これから母となる、これから父となる人には
正しく叱り、正しく褒めてあげて欲しいと思う。


最下層奴隷Yは、
これから徹底的に落とす。
人間として話しかけるのは最後だよ。

「定年までお疲れ様でした!
よく頑張ったねっ!」


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